(2005年5月9日更新)
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[外科的療法] のキーワード

<子宮筋腫・腺筋症の外科的治療法とUAE・FUS>


筋腫核出術
腺筋症核出術(子宮筋層切除術)
子宮全摘術
子宮動脈塞栓療法(UAE)
集束超音波療法(FUS)

<子宮内膜症の外科的治療法>


病変の除去・焼灼および癒着剥離
チョコレート嚢胞核出術
アルコール固定
片側卵巣摘出術
子宮全摘+両卵巣摘出

<婦人科内視鏡手術について>


子宮鏡下手術
腹腔鏡下手術

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[外科的療法]

婦人科疾患の外科的治療法には、大きく分けて
全摘術保存的手術
の二つがあります。良性疾患の場合は通常、「挙児希望の有無」、つまり今後子供を産む予定があるか、ということが、どちらの術式を選ぶかのもっとも重要な判断基準にされています。

しかし、私たちの子宮は子供を産むためだけにあるのでしょうか? 子供を産む予定がなかったら、摘出してしまってもいいのでしょうか? 「生まれてきたときのままのからだでいたい」という希望を持つ人もきっといることでしょう。やはり本人の「子宮温存希望の有無」こそが、術式選択の判断基準とされるべきではないでしょうか。「もう子供をつくるつもりはないんでしょう?」などという一言に押切られずに、本当に自分が求める治療を選択しましょう。但し、「五体満足、臓器がすべて揃っていてこそ完全なからだ」という考え方に縛られるのもどうかと思います。子宮がなくても健康な生活を営むことはできます。自分にとっての健康とは何なのか、それも考えて決めることが大切です。

なお、一般に私たちが「手術」と呼ぶ、からだの組織にメスを入れるような外科的な手術のほかに、最近は
  • 血管の中に細い管(カテーテル)を送り込んで病巣に対する処置を行なう治療法(子宮動脈塞栓療法=UAE)
や、
  • MRIで病巣の位置を確認しながら超音波を集中照射する治療法(集束超音波療法=FUS)
といったものも登場しています。

以下、外科的治療とUAEおよびFUSについて、子宮筋腫・腺筋症の場合子宮内膜症の場合に分けて説明します。

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<子宮筋腫・腺筋症の外科的治療法とUAE・FUS>

筋腫核出術

これは筋腫のかたまり(コブ)の部分だけを切り取って子宮は残すという保存的手術で、筋腫ができている部位、コブの大きさによって術式も大きく違ってきます。漿膜下筋腫や筋層内筋腫の場合は、開腹ないしは腹腔鏡を使用して、子宮の外側からメスを入れていきます。子宮の内側に突出している粘膜下筋腫の場合は、腟の方から子宮鏡という器具を入れて筋腫のコブを切り取る方法もあります。これはお腹を切らないのでからだへの負担は少ない方法です。しかし、どの筋腫の場合も、もっとも一般的に普及しているのは、開腹で子宮の外側からメスを入れていく術式のようです。腹腔鏡・子宮鏡による核出術は、筋腫の大きさ、数、出来ている場所などによって、適応範囲が限られて来ます。

核出術の場合難しいのは、コブの部分だけを切り取ったあと、その傷痕を縫いあわせていく作業です。有茎漿膜下筋腫有茎粘膜下筋腫といって、コブが茎のようなものの先にできていてぶらぶらしている場合は、その茎の部分を切ればすむわけですが、子宮の壁に直接メスを入れてコブを取った場合は、何層にも重なり合った子宮の筋層を一層一層丁寧に縫いあわせて行かなくてはならないのです。数が多ければ時間もかかりますし、出血も多くなります。従って、輸血が必要になることもあるので、自己血輸血(前もって自分の血を採って貯めておいて、手術中輸血が必要になったときにはそれを使う)が可能かどうか、担当医と相談した方がいいでしょう。

核出の手術をした後に、筋腫が再発する可能性についてはいろいろなデータがあります(15〜45%)。年齢が若ければ若いほど、当然再発する可能性は高くなります。また、レーザーメスを使おうが何をしようが、筋層内部に潜み、MRIにも写らないような筋腫の小さな芽まで完全に取りきることは不可能です。ですから「うちに来れば子宮を取らずに完全に治り、絶対に再発することはない」などと宣伝する医療機関には注意した方がいいでしょう


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腺筋症核出術(子宮筋層切除術)

子宮腺筋症の手術は一般に全摘手術しかないと言われていますが、腺筋症は大きく分けると、病変部が子宮全体に一様に広がっている(び慢性の)タイプと、数箇所に病変が集中してコブのようなかたまりを形成している(結節性)タイプの2通り(このほか、稀にチョコレート嚢胞を形成するものもある)があり、後者の場合は、病変が出来ている部分の筋層だけを切除して子宮そのものは残すような手術が可能です。ただし、後者のタイプは少数派でもあり、このような手術を実施している施設は限られています。

この手術は、痛みや過多月経の軽減には効果があるとされていますが、妊娠率の向上はあまり期待できません。また、(嚢胞形成の場合以外は)筋腫とは違って子宮の筋層との境界がハッキリしていないので、完全に病巣を取り除くのは困難です。したがって、時間の経過とともに再発する可能性もありますので、この術式を選択する場合はその効果と限界について十分な説明を受けてください。


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子宮全摘術

子宮全摘はやり直しのきかない方法です。すでに子供がいる、もう40歳だから、といった理由だけで子宮を摘出する必要はありません。全摘は子宮腺筋症があって子宮全体が腫れ上がり、一部だけ切っても症状の解決が期待できない場合、また多発性の筋腫でコブだけ取ろうとしても子宮が穴だらけになり出血が多量になる恐れもあるような場合、さらには閉経後に急速に筋腫が大きくなっていて悪性の恐れがある場合などに必要な手段です。閉経前の場合、激しい癒着などがない限り、できるだけ卵巣を残す努力をすることを医師に確認したほうがいいでしょう。卵巣を取ってしまうと一気に更年期症状が出ますし、骨粗鬆症や心疾患などの危険性も高くなり、長期的なホルモン補充療法が必要となる可能性があるからです。(なお、すでに卵巣嚢腫等で片卵巣を摘出している方の場合、子宮全摘によって残った卵巣の機能も低下する可能性があります。)

では全摘手術は筋腫核出術や筋層切除術より危険でしょうか? 答えはNOです。核出術は子宮に直接メスを入れることになりますから、非常に出血が多くなります。全摘の場合は先に子宮につながる血管を縛ってしまって子宮を丸ごと取り出すので、出血量も少なく、手術時間も短時間ですみます(もちろんこれは子宮と他の臓器の癒着がないと仮定しての話です)。但し、尿管や膀胱など周囲の臓器へ損傷といったトラブルは保存的手術に比べ全摘手術のほうが多くなりますが、その割合は平均1パーセント以下といわれますので、その点をよく考えて決断しましょう。

全摘の方法には開腹全摘術、腟式全摘術(お腹を切らない)、内視鏡下全摘術(aP16参照)などいろいろありますが、ご本人の出産経験や筋腫の大きさ、癒着の程度などによって、どの方法が一番適しているかは変わってきますので、ケースバイケースで検討の必要があります。

子宮を取ってしまうと「女でなくなる」と思っている方もおられるかもしれませんが、そんなことは決してありません。「たんぽぽ」が子宮筋腫・内膜症の「患者」の会ではなく「体験者」の会と呼ばれているのは、これらの疾患のために全摘を選んだ人々も「体験者」として参加しているからです。月経がなくなることに一抹の淋しさを感じる人もいますが、大出血の心配をせずに旅行にも出かけられるようになって、生き生きとした人生を発見した人もいます。確かに全摘後に性交痛を感じるようになったという方もおられますが、逆に性生活がスムーズになったという人もいます。一番大事なことは自分自身、およびパートナーが、全摘についての理解を十分に深めること。初めから「女でなくなる」と思い込んでいたら、セックスがうまく行くはずもありません。あなたの女性性は心の中にあるもので、子宮や卵巣の中に入っているものではないのです。


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子宮動脈塞栓療法

UAE(Uterine Artery Embolization)ともいい、IVR(血管内手術)の一種。足の付け根を小さく切開して動脈に細い管(カテーテル)を通し、そこから細かい粒子状の物質を注入して筋腫に栄養を補給している子宮動脈を塞ぎ、筋腫を兵糧攻めにして縮小するのを待つ、という治療法です。日本では1990年代後半から行なわれるようになった術式で、主に放射線科の医師が行なっています。最近では子宮腺筋症の治療に用いる施設も出てきています。

この方法で筋腫が完全に消滅することはありません(時に子宮内膜側に近い筋腫の場合は内腔に押し出されて、筋腫分娩の形で体外に排出されることもある)が、およそ8〜9割のケースで、ある程度サイズが縮小し、過多月経や貧血などの症状が改善されるといわれています。ホルモン療法と違い、一度縮小した筋腫が再度大きくなることはなく、多発性の筋腫でも原則的に一度の施術で効果を得ることができ、再発の可能性は低いといわれます。しかし、すべての筋腫が子宮動脈のみから栄養を得ているわけではなく、筋腫の位置によっては卵巣や膀胱の動脈から血管が伸びていることもあるので、そういう場合は期待した効果が得られないこともあります。また、逆に卵巣への血流が阻害されて、卵巣機能が低下するという合併症も見られます(特に45歳以上では10%を超す割合で卵巣機能不全が報告されています)。子宮腺筋症の場合は、一定期間は子宮サイズの縮小、過多月経などの症状の改善が期待できますが、再発することも多く、まだ発展途上の治療法のようです。

この術式にはまだ保険適応が認められておらず、実際に行なっている医療施設も限られています。合併症などが起こった場合の対応や術後のフォローアップは婦人科で行なうことが望ましいので、なるべく放射線科と婦人科が連携して治療にあたっている医療機関を選びましょう。また、日本では実施されるようになってまだ日が浅いため、長期にわたる予後の情報が乏しく、また、術後の妊娠も症例が少なくて、その安全性が明らかではないため、絶対に核出が不可能な例を除いては妊娠希望者には行なわない、という施設が多いようです。

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集束超音波療法

FUS(Focused Ultrasound Surgery)ともいいます。虫眼鏡で日光を1点に集める要領で、超音波を筋腫に集中照射して、内部の温度を60〜90度にして筋腫組織を焼いてしまうという治療法です。日本には2002年から導入されたばかりで、世界的にもまだ施行例の少ない、歴史の浅い治療法です。雑誌やテレビなどでセンセーショナルに取り上げられたため、多くの人が関心を持っているようですが、まだ治療データが十分揃っているとは言えず、術後の妊娠への影響、長期的な経過、再発の割合など、まだまだ不確定の要素が多いというのが実態だと思います。子宮腺筋症は適応になりません。

UAE同様からだにメスが入ることがなく、UAEよりも術後の痛みも少ないため、入院の必要がないというのがメリットですが、筋腫の大きさが3cm以上、10cm以下で、一度に治療できるのが3個まで、過去に開腹手術を受けて皮膚に傷がある場合や皮下脂肪が2cm以上ある場合はダメ、など適応の範囲がかなり限られているため、受診しても適応対象外となる人がかなり多いようです。筋腫も消滅するわけではなく、ある程度サイズが縮小するだけですが、8割ほどの患者で月経痛・過多月経などの症状の改善が見られるそうです。ただ、UAEとは違って特定の筋腫だけを狙って処置する治療ですので、多発性筋腫の場合は、そのときに処置対象にならなかった1〜2cmの筋腫が、大きくなって症状を引き起こす可能性があります。

この術式も保険診療が認められておらず、特殊な装置を必要とするため、実施施設はUAEよりさらに限られています。メスが入らない、入院もいらないということで、いいこと尽くしのように思う方も多いですが、どんな治療法にもメリットとデメリットがあります。最新の治療法というのは長期的な影響についての情報が最も少ない治療法でもある、ということを念頭におきながら、自分に合った治療法を選択してください。


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<子宮内膜症の外科的治療法>

婦人科疾患の治療でよく使われる内視鏡には、子宮鏡腹腔鏡があります。


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病変の除去・焼灼および癒着剥離

高周波電気メスやレーザーを使って腹腔内の病巣を焼いたり、癒着している部分(特に卵巣・卵管や直腸と子宮の間のダグラス窩と呼ばれる部分)を剥がすことにより、月経痛などの症状を軽減し、妊娠しやすくすることができます。近年は腹腔鏡を使って行なうことが多くなってきていますが、凍結骨盤(フローズンペルヴィス)といわれるような、極度に骨盤内の癒着が激しく、臓器が一かたまりになってしまっているような場合や、病巣が動脈や膀胱などに接している場合は、高度な技術を要するので、開腹した方が安全であるといえます。これも他の治療法と同様、再発が一般的なので、あくまでも一時的な緩和を目的としたものであることを十分に理解しておくことが必要です。また、月経痛対策としては、仙骨子宮靭帯切断術という治療法もあります。


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チョコレート嚢胞核出術

子宮内膜症の中でも、卵巣の中に内膜組織が増殖する、チョコレート嚢胞で、卵巣が大きく腫れてきたり(5〜6センチ程度が目安)、癒着や不妊の原因になっている場合に行われる保存的手術です。卵巣に針のようなものを刺して嚢腫の中の嚢胞液を吸引した上で、病変のある嚢胞を袋ごと取り出して、卵巣を修復するという方法で、再発率は次に説明するアルコール固定よりは低くなります。また、術中の細胞診によって悪性かどうかの鑑別がつくという利点があるほか、癒着の剥離なども同時に行なえるため、痛みなどの症状の軽減にも役に立つと思われます。腹腔鏡下で行なうことも可能ですが、卵巣が7〜8センチ以上の大きさになっていたり、ひどく癒着していて可動性が低い場合は、開腹で行なうことが多いようです。


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アルコール固定

チョコレート嚢腫の場合に用いられるもう一つの手法で、超音波モニターで監視しながら腟から(あるいはお腹に小さな穴を開けて腹腔鏡を用いて)、針のようなものを入れて卵巣に刺し、嚢腫の嚢胞液を吸引した後、純エタノールを入れて固定するという、日本だけで行われている術式です。最大の利点は開腹しないので、からだへの負担が少ないことです。その一方で、アルコールが卵巣の外に漏れたりすると、新たな癒着を引き起こすこともあります。また、術中の細胞診ができないので、もし良性ではなく卵巣がんであった場合、それと知らずに周囲にがん細胞をばらまいてしまう可能性があるので、事前の鑑別診断が非常に大切になります。超音波、CTあるいはMRIなどを用いて総合判定をし、固定したあとはすぐ吸引液の細胞診を行なってがんではないことを確認することが必要です。卵巣嚢腫の他にも腹腔内に病巣を持っている場合は、アルコール固定だけで症状が軽減されるとは限りませんし、再発の可能性もありますので、他の治療法と十分に比較検討して選択しましょう。


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片側卵巣摘出術

チョコレート嚢腫が破裂したり、茎捻転を起こして壊死を起こしたりした場合、また嚢腫が大きくて正常な組織が残せそうにない場合、悪性の疑いがある場合など、病変のある卵巣を丸ごと(ときには卵管も)摘出することがあります。2つある卵巣のうちの1つを取ってしまったら、分泌される女性ホルモンの量も半分になってしまうのでは?と心配になる方もおられると思いますが、通常、残ったほうの卵巣がちゃんと2つ分の機能を果たしますので、毎月排卵も月経も起き、妊娠も可能です。ただ、残った卵巣にも病変がある場合や、同時に子宮全摘術を行なう場合には、ホルモン分泌に異常が出ることがありますので、慎重な判断が求められます。


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子宮全摘+両卵巣摘出

月経痛や過多月経などの症状が強く、癒着の剥離や腹腔内の内膜症病巣の焼灼だけでは症状が解決できない場合、あるいは何度も再発してこれ以上手術を繰り返すことは避けたい場合などは、生活の質の向上を考えると子宮全摘も選択の一つに入ってきます(これを「準根治手術」と呼ぶ)。しかし、先にも述べたように内膜組織は女性ホルモンの供給がある限り増殖しつづけますから、子宮の外にも病巣がある場合は、両卵巣を摘出しなければ完全に治すことはできません。腹腔内に散らばっている病巣が原因となっている下腹部痛や排便痛はなくならない可能性があるからです。とはいえ、卵巣を残しておいても、子宮を全摘すれば過多月経やそれによって引き起こされる貧血などの症状は解決できますし、腹腔内の病巣が少なければさほどの悪影響はないかもしれませんので、卵巣を摘出した場合のデメリット(更年期障害が起きるので、ホルモン補充療法が必要となる)を計算して、少なくとも片卵巣を残すかどうかの判断をすることが必要でしょう(その他、手術の実際については子宮筋腫の全摘の項を参照して下さい)。


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<婦人科内視鏡手術について>
婦人科疾患の治療でよく使われる内視鏡には、子宮鏡と腹腔鏡があります。


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子宮鏡下手術

子宮鏡は腟から電気ループやレーザーメスがついた小さなカメラを子宮の中に差し入れて、粘膜下筋腫やポリープを切除するのに使われます。お腹にメスを入れず、部分麻酔で済むという意味では、手術の中で一番からだへの負担が少なく、回復も早い術式だと言えます。但し、子宮鏡は子宮の内側に病巣がある場合にのみ有効で、筋層内筋腫や漿膜下筋腫、腹腔内や卵巣の内膜症病変などの治療には使えません。また、大きさによっては、粘膜下筋腫であっても子宮鏡で核出するのが難しいこともあります。

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腹腔鏡下手術

腹腔鏡というのは、おへその周辺に3〜4箇所の小さな穴を開けて、カメラやメス、鉗子を差し入れて、お腹を開くことなく手術を行なうための道具です。婦人科では卵巣嚢腫の核出術や、卵巣の摘出、内膜症の癒着剥離や病巣焼灼に使われることが多いようです。筋腫の核出術にも使えますが、筋腫の数、大きさ、できている位置によっては、適応にならないこともあります。筋腫が大きい場合、小さな穴から出すために、お腹の中で細かく砕かなければなりませんし、筋腫を取った後の子宮の傷を縫い合わせるときも、モニターを見ながら遠隔操作で行ないますので、開腹手術に比べかなり時間がかかります。

腹腔鏡下手術は全身麻酔下で行われますので、時間が長くなるとそれだけからだへの負担やリスクも大きくなります。時間を短縮するために、お腹に開けた穴の1つを少し広めに切り拡げ、そこから筋腫を引っ張り出したり、直接目で見ながら縫合したりする、
LAM(laparoscopically-assisted myomectomy 腹腔鏡併用核出術
という術式もあります。通常の開腹術より傷口は小さく、癒着などのリスクは少なくなると言われています。

子宮全摘にも腹腔鏡を使うことができますが、筋腫の場合と同じで小さな穴から子宮を取り出すのは大変ですから、腹腔鏡は癒着をはがしたり、靭帯などを切り離したりするのに使い、子宮そのものは腟から取り出す、
LAVH(laparoscopically-assisted vaginal hysterectomy=腹腔鏡併用腟式全摘術
という方法が一般的です。

治療の効果という意味で開腹手術と比較すると、確かに開腹の方が腹腔内を直接目で見、手で触ることができますから、小さな筋腫の芽ももらさず取り、また取った傷痕をより丁寧に縫合することができます。しかし、術後の癒着のリスクは、腹腔鏡下手術のほうが、外気やガーゼなどに触れることの多い開腹手術に比べて少ないはずで、一長一短です。

婦人科で内視鏡手術が普及し始めてまだ10年足らずですから、術者の腕にもかなりの違いがあります。過去に開腹手術をしていたり、内膜症が進行していたりして、腹腔内の癒着が激しい場合は腹腔鏡では手術できない、といわれることがよくありますが、これは術者の腕によるようです。筋腫の大きさや位置についても同様で、1つの病院で腹腔鏡はムリ、といわれても、他の病院ではOKということもありますので、なるべく症例数が多く、内視鏡手術に慣れた医師がいる病院を選ぶことをお勧めします。

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