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6.婦人科医療の利用の仕方 (2004年3月11日更新) |
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◆ はじめに ◆ 「いい病院」というものはあるか? ◆ 病院の選び方 ◆ たんぽぽ病院データベースについて ◆ 受診の前に ◆ 医師への質問 ◆ セカンド・オピニオン ◆ カルテ、検査データなどの個人情報 ◆ たんぽぽを上手に生かして下さい |
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◆はじめに 産婦人科にかかるということは、歯が痛いから歯医者に行く、風邪で熱っぽいから内科に行く、というのとはかなり違い、私たち女性にとっては多かれ少なかれある種の決心を必要とすることです。性器という羞恥心につながる場所の診察ですし、必要な検査として内診もあり、「病院にかからなければならない」ことが私たちに、ストレスを与えていることは、ほぼ間違いないことです。病院選びそのものにも多くの人が苦労しており、「たんぽぽ」にはそういった体験談が、日頃からたくさん寄せられています。 産婦人科とは、そのような気苦労を経て足を運ぶ場所ですから、診断と治療に関しては、良好に進んでほしいものです。ところが現実には、医療に満足を得ていない人が少なくありません(「たんぽぽ」会員に対して「医師の説明に対する満足度」を聞いたアンケートでは、「満足」と感じている人は43%と半数を割り込んでいます)。 慢性疾患であるために短期間での解決が難しいのは、体験者であれば多くの人が知っていますが、であればこそ医療には適切な支援を求めたいのに、うまくいかないばかりか、「傷ついた」と訴える人も少なくありません。「治療の方法論」などの各論で悩むならまだしも、どうにもこうにも医師とほとんどコミュニケーションができない、と嘆く人もいることは、単に婦人科疾患の問題であるばかりでなく、実は社会全体にかかわる問題の一つではないでしょうか。 このような状況下で、患者が「よい医療」を得ていく道は、あるでしょうか? 結論からいえば、私たちは「もちろんある」と考えます。医師たちも、当然ながら「よい医療」をめざしているに違いないのです。ところが残念ながら、医師たちの考えるよい医療と、患者の考えるよい医療には、食い違いが生じやすいようです。医師たちは多くの場合、患者に起きるであろう利益、不利益を自分はよく知っているのだから(それは必ずしも正しいかどうかは不明ですが)、全面的に自分に任せてほしいと考える傾向があるようです。これに対し、患者は「私のこの悩みを知ってほしい、これを解決してほしい」と、あくまで自分のケースについて真剣に取り組んでくれることを願い、悩みに寄り添い、その上での適確な方針をたてることを望んでいる傾向があります。心構えというかスタンスというか、そのあたりに根本的な違いがあるようです。しかし、私たちの考えを医師たちに伝え、医師たちの考えを知り、そこでのコミュニケーションが過不足なく行なわれるようになれば、「よい医療」は必ずや実現するはずです。諦めることはありません。 |
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◆「いい病院」というものはあるか? 「いい病院はありませんか?」…ある医療市民団体に寄せられる質問の約半数がこれだ、という報告がありました。「たんぽぽ」では厳密な集計はしていませんが、初めて「たんぽぽ」にこられる方のやはり半数近くがこの質問をもっていらっしゃる実感をもっています。この質問に対し即答するなら「誰にでも合うようなオールマイティーな病院、名医などはいません」ということになります。その答えでは身もフタもない、と思われるかもしれませんが、事実です。患者と医師の相性もありましょう。患者が望んでいる医療の質というものがありましょう。医師の得意としている技術や方法もありましょう。それらのうち、どの部分がどの人に合うかなど、これは断片情報からだけでは、第三者にはまったくわからないことです。 また、「たんぽぽ」で交流のあるドクターは何十人もいらっしゃいますが、そのうちの特定の医師を紹介するようなことをして多くの患者が殺到すれば、誰にとっても時間は有限ですから、その医師の行う医療の質の低下につながりかねません。ですから、私たちは医師の紹介ということは、基本的には行いません。電話相談などで、症状があまりに激しいのに現在の主治医の治療方針下で、改善どころか悪くなる一方であり、なおかつ病院が見つからないとか、或いは主治医から強引に手術日を決められてしまって困っているなど、緊急に医療機関を必要としている場合に限り、それも、その方の居住地域に関する情報を相談員がもっている場合に限ってのみ、ご紹介しているのが実状です。 なお、私たちも、これまでのやり方でよしとしているわけではありません。「たんぽぽ」の趣旨としている自助活動を、病院選びにももっと活用できないかということで、会員を対象に、病院体験を多項目にわたって聞く「病院アンケート」を実施し、それをデータベース化して、会員の問合せに対し、新しい情報提供をできるようにしています。但し、病院評価というものは大変難しく、数値化はなかなかできないものですから、ランク付けをしての病院情報ではありません。個々人の体験、印象に基づくものであることを前提としてご利用ください。(利用の仕方については別項参照。) |
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◆病院の選び方 「たんぽぽ」には、自分で病院を選ぶとき何を目安にしたらよいだろうか、という相談もよくあります。医療機関の種類には大別して「大学病院」「総合病院」「手術・入院設備のある個人病院」「手術・入院設備のない個人医院(クリニック)」などがあり、また、「大学病院」「総合病院」にはそれぞれ、公立もあれば、民営もあります。このうちどれがよいかということは、一概にはいえません。それぞれにメリット、デメリットがあるのは、確かなことだからです。 「たんぽぽ」では、電話相談を設けており、遠方からの相談者もいらっしゃいますが、そこで必ずアドバイスすることは、「今までの病院に満足していないなら、次は、違うタイプの病院へ行かれたほうがよい」、ということです。大学病院しかかったことのない人なら、個人病院とか一般の総合病院に行ってみるとか、或いは色々なタイプの病院へ行ったが今まで男性医師にしかかかったことがなかった人なら女性医師を探してみるとか、何であれ、これまでの病院、医師と違う点のある病院へ行ってみることをお薦めします。似たようなタイプの病院は、似たような方針であったり、似たようなタイプの医師が集まっていることが多いものです。大病院のベルトコンベア的な医療に不満であった人が、個人医院に行ったら十分時間をかけて相談できてよかった、というような体験談は、「たんぽぽ」では、よく聞かれます。もちろん、個人病院が必ずよいわけではありません。家から近いというメリットだけで個人医院を選び、納得いかずに別の医療機関を探すなら、隣の個人病院に行くのではなく、今度は大きな病院へ行ってみたほうがよい、ということもおおいにありうるでしょう。 病院選びの方法として、もう一つ提案したいのは、「漢方療法」の項でご紹介している、漢方薬メーカーに問合せて、治療に漢方薬を取り入れている病院を探す方法です。「漢方薬を試してみたいけれど、どこに行けばいいかかわからない」という方も多いので、参考にしてみてください。 |
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◆たんぽぽ病院データベースについて たんぽぽでは会員に対し、過去2年間にかかったことのある医療施設について、その診療体制、医師の対応、スタッフの対応、手術設備、検査設備などにかんするアンケートを実施しています(通院編・入院編の2種類があります)。たんぽぽ病院データベースとは、そのアンケートの回答用紙を数冊のバインダーにまとめたものです。 2004年9月現在、通院編のほうに全国272施設(有効回答数420)、入院編のほうに89施設(有効回答数128)の情報が集まっています。 上にも述べたように「よい病院」というのは一人一人の患者にとって違うもので、安易に「ここを受診したら」と薦められるものではありません。治療法を選択するのと同様、医療施設の選択も各人ができる限り情報を集めて、自己決定していくのが理想です。このデータベースは、そうした医療施設選択の一助になれば、ということで作られたものです。 病院データベースは、毎月の例会や事務処理作業の拠点においてありますので、たんぽぽ会員はこれらの活動に参加すれば、全国の会員から集められた病院アンケートの回答を読むことができ、必要なページをコピーすることができます。地方にお住まいで活動拠点に来られない会員には、必要な施設の情報だけを郵送するサービスも行なっています(詳しくは毎年配布される「たんぽぽ提供情報カタログ」を参照)。 なお、現時点ではデータベース情報のオンラインでの提供は行なっておりません。 ★★★なお、病院データベースはあくまでも、相互扶助の精神に則った自助活動の一環として作っているものですので、会員の方にしかお見せする事はできません。非会員は郵送による利用もできません。例外として、たんぽぽの「おしゃべり会」に参加されて、ご自分もアンケートに回答してくださった方のみ、1回に限り、非会員でも利用を認めています。その旨、ご了承下さい。★★★ アンケート用紙の調査項目は150以上あり、女性医師がいるかどうか、平日の待ち時間はどのくらいか、漢方にかんする知識があるか、といったことから、実際に手術を受けたときの感想まで、一つの医療機関について多角的に捉えるような内容になっています。ただし、あくまでも会員個々人の体験、印象にもとづいた主観的なデータであることから、これだけで単純に「いい病院」「悪い病院」と判断することはできませんので、病院ランキングなどは一切出しておりません。 このデータベースはたんぽぽ推薦の病院リストではありませんので、これさえ見ればすぐに良い病院が見つかる、というわけではありません。このデータベースに入っている情報もまだまだ限られていて、たんぽぽにまだ情報が届いていない良い病院もたくさんあるはずです。いわば口コミ情報の全国版のようなものとして捉え、ご自分の判断材料の一つとして利用していただくとよいでしょう。 |
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◆受診の前に 診察では、特別な場合を除き、診断に必要な情報を医師に提供するために、問診から始まります。医師から聞かれたら過不足なく答えられるように、あらかじめメモをつくって持参すると役立ちます。
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◆医師への質問 医師から治療法の説明を受けるときは、以下のポイントを確認し、足りない点、分からない点などは、自分から質問しましょう。
質問するときは、予め聞きたいことをメモしていくのがよい方法です。また、質問や相談をするためには、本や「たんぽぽ通信」の情報などから下調べをして臨むとよいでしょう。「本でこう読んだのですが」という質問を嫌う医師も、中にはいます。患者は専門家ではありませんから、場合によっては情報を誤読している可能性もありますが、それも含めて、患者の側は十分な理解をしたいのですから、質問に際して臆することはありません。しかし、ケンカをしてしまっては元も子もないですから、少しチエを使いましょう。たとえば、「初めて親に病気を打ち明けたら、非常に心配して色々私に聞いてくる。こんな質問もあったが、先生どうなんでしょう?」といったふうに、芝居を打つ手もあります。これは、親だけでなく、姉妹、夫、恋人、色々な人を登場させてのバリエーション、少しシチュエーションを変えての応用も可能です。 |
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◆セカンド・オピニオン 診断技術、治療の技術とも進歩し、また一方では、それらについて病院間格差が生じていることを患者も知る時代となりました。それだけでなく、医療というものは、実はきわめて「ケース・バイ・ケース」のことが多い、ファジィなものです。となると、たった1ヵ所の、たった1人の医師の意見だけで医療を選んでいくことのほうが、現実的でないと考えられます。他の先進国においても、セカンド・オピニオン(他の医師の意見)を聞く、具体的には、他の病院にかかる、ということは一般的に行われています。これは、自信を持って、前向きに行ってよいことなのです。 |
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◆カルテ、検査データなどの個人情報 カルテや検査データなど、個人の診療記録については、「患者の権利法」(先進国でこれがないのは日本だけ)や、カルテ開示を定める法律をもつ他の先進国(アメリカ、カナダ、イギリスなど)並みに、求めに応じて開示していく考え方が日本でも出てきており、98年に法制度化の動きが始まりました。99年に入ってからは日本医師会が、原則的に診療記録の開示請求に応じる、としたガイドライン(中間報告)を発表。また、文部省が国立大学付属病院における開示のガイドラインを発表したり、東京都や横浜市がそれぞれ、都立、横浜市立の病院での開示を発表するなど、少しずつ具体化してきました。 また、セカンドオピニオンを求める際の資料として、一度行った検査データなどの個人情報の提供を求めることも、一般化してきました。上記のように最近は日本医師会も診療記録の開示は当然とうたっているのですから、これも自信を持って行ってよいことです。中には、本気でそう信じているのかどうかはわかりませんが、「法律で認められていない」と説明する医師もいるようですが、決してそんなことはありませんので、簡単に諦める必要はありません。患者が費用を支払った、自分のからだの情報であり、再び別の病院で同じ検査をするのは実に無駄なことですから、ぜひ試みてみてください。なお、転院するとき、システムとしてカルテも移動できるようになればそれにこしたことはありませんが、現在は、系列病院でもないかぎり、そのようなことは行われていません。かといって、一般的にいって、次にかかる医師の判断材料として、特にカルテがあったほうがベター、ということもありませんから、カルテはあえて求めなくてもよいでしょう。もちろん、ご自分が見たい、読みたいと思われるなら、それを申し出てみることは、からだのケアに自分から主体的に取り組む、よいきっかけになるかもしれません。 |
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◆たんぽぽを上手に生かして下さい 「たんぽぽ」の基本は、会員が互いに励ましあい、情報を分かち合うという、自助活動にあります。あなたがサポートを求めて積極的に行動すれば、それに応える用意のある会員がたくさんいます。まずは、東京、横浜、松本、福岡などで定期的に開かれている、おしゃべり会に足を運んでみてください。そして、たんぽぽの活動趣旨に賛同されたら、ぜひ入会して『たんぽぽ通信』に「自己紹介」や、体験記をお寄せください。そして、あなたが、自分の住む地元でも会合を開きたいと思ったら、たんぽぽ事務局にご相談ください。日にちと場所だけ決めて、「たんぽぽ通信」上で呼び掛ければ、きっと1人や2人、或いはそれ以上の仲間がその会場に顔を出すことでしょう。 たんぽぽの活動目的は会をひたすら大きくすることではありません。大きくなって顔の見えない関係を作るより、ちゃんと気持ちの通い合う小さなミーティングをもっともっと増やしていきたいと思います。会が何かをしてくれるのを待つのではなく、「こういうサポートがほしい」と、積極的に声をあげてください。自分がサポートを得たくて行動したことが、今度は誰かの役に立つこともあって、きっとあなたは、「人の役に立つ」快さも、味わうことができると思います。こういう活動を通して、各自が子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症と、或いは病院、医師と上手につきあう方法を見つけ出す、これが「たんぽぽ」の活動趣旨です。 |