低用量ピルが発売になってすでに5ヵ月目に入ります。そろそろ実際に使ってみられた方からのご意見も届くかな、と期待しているんですが、今のところ1通もお便りがありません。皆さん、だいぶ慎重みたいですね。でもやっぱり使うなら、納得して使った方がいいですから、時間をかけて情報収集をしてください。
この企画も今回で3回目、なんだか定例ページみたいになってきました。前回ご連絡 した子宮筋腫が低用量ピルの禁忌にされていることに関する、厚生省やガイドライン検討委員会宛ての質問状は、賛同団体を募って年明け早々に送付しました。全部で9つの団体からご賛同の意向をいただきました。おそらく次号のたんぽぽ通信では、何らかのお返事をご紹介できるだろうと思いますので、皆さんもご期待ください。
さて、今回は前回よりの積み残しの問題点について、また素人が調べられる範囲でご報告します。ピル・アンケートの自由回答も後半でご紹介しますので、ぜひ回答者の皆さんの多様なご意見に目を通して、自己決定のご参考になさってください。ではまたいつものとおり、ご意見・ご批判をお待ちしています。(さくま)
Q.「月経痛の緩和」というがどれくらい緩和されるのか。どの人にもそういう効果が望めるのか?
残念ながら、低用量ピルによる月経痛緩和の効果を、数字で示しているような文献を見つけることができませんでした。中用量ピルと違って、月経困難症の薬として臨床試験を行なっているわけではないので、国内で月経痛に対する効果をみるような大規模な調査はやっていないのではないかと思います。しかし、どんな薬も効き方は1人1人違っています。たと月経痛が緩和される、というデータがあったとしても、それは必ずしも「どの人にもそういう効果が望める」ということではありません。
たとえば、34号にご紹介したピル服用と筋腫患者の月経に関する研究でも、ピルを服用しても筋腫のサイズに有意な変化はなかった、と書かれていますが、それは必ずしもピルを飲んで筋腫が増大した人が1人もいない、という意味ではありません。ピルを飲んで筋腫が大きくなった人もいるかもしれないが、全般的な傾向としてピル服用と筋腫の増大との間になんらかの関係がある、とは言えない、というだけのことなのです。
ですから、飲む前から「絶対に効く」とか「絶対に安全」ということは言えません。 やはりその辺は、自分の現在のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)とのバランスを考えて、他に選択肢がないとなったなら、「腹をくくって」試してみるしかないのではないでしょうか。ただ、漢方療法も月経痛の緩和には効果があるとする文献はたくさんあります(一部たんぽぽ医療文献一覧にも入っています)ので、漢方の利用もぜひ検討してみていただきたい、と思います。
Q.エストロゲンよりプロゲストーゲンの方が筋腫に影響しやすいのか?
エストロゲンとプロゲストーゲンがどのように筋腫の増殖に関わっているかということは、まだ完全には解明されていないようです。高プロゲストーゲン状態である妊娠中に筋腫が大きくなることがあるので、プロゲストーゲンに筋腫の増殖促進作用があるのではないかと思われていますが、子宮筋や子宮筋腫の細胞をプロゲストーゲンのみを投与して培養しても、細胞の増殖は起こらないそうです。よって、エストロゲンとプロゲ ストーゲンは、ある種の協調をとりながら筋腫の増殖に作用しているのではないか、とみられているようです(塩沢&藤井、1996)。ですからどちらのほうが影響する率が高 い、というようなことは、現時点では言えないと思います。
Q.どのくらい連続して使用できるのか?長期使用による悪影響はないのか?
34号でも触れたようにピルは基本的にホルモン成分を含んだ錠剤を21日分飲んで、あとは偽薬を飲むか休薬するかしますので、普通は、純粋に毎日飲み続けるという意味での「連続使用」はしません。どうしても月経過多が激しい場合などに、例外的に有効成分をもつ錠剤だけ連続して飲みつづける方法もありますが、これは1年以上継続するべきではない、とされています。
おそらくご質問は、通常の使用法で何年くらい連続して使用できるのか、という意味だと思いますが、たとえばアメリカの看護婦16万人以上を対象とした80年代の調査(The Nurses' Health Study I)では、10年以上ピルを飲んでいた人と飲んだことがない人の死亡率を比べても差がない、という結果が出ています(倉智1999)。ただ、これはあくまでも死亡率の比較ですので、他の弊害が出ないかどうかはこれだけではわかりません 。
ピルを長期にわたって使用した場合に心配になるのは、(1)加齢との相互作用、( 2)発がん性の問題、(3)体内の残留ホルモンの問題などが挙げられます(3については、後に環境ホルモンや妊娠との関わりの項でも触れますので、ここでは触れません )。1に関しては、血栓症や心筋梗塞などの副作用は、使用期間の長さとは関係なく起こりますが、そもそも心・血管系疾患のリスクは年齢とともに上がっていくものですから、長い間ピルを飲み続けて中年にさしかかれば、これらの副作用のリスクも高くなります。特に35歳以上の喫煙者がピルを飲む場合は、心筋梗塞を起こす率が35歳未満の非喫煙者の約140倍にもなります(玉舎1999)ので、「35歳以上で1日15本以上の喫煙者」 はピル服用が禁忌とされています。(ちなみに心筋梗塞を起こす率は、ピルを飲む人が飲まない人の5倍、喫煙者は非喫煙者の9倍になります。ピルを飲むならたばこはやめる、たばこを吸うならピルは飲まない、と考えたほうがいいように思います。)
2のピルとがんの関係については、ここでは詳しく書く余裕がないので、ぜひ関心をお持ちのかたは、ご自分で調べていただきたいのですが、低用量ピルの服用によって発症のリスクが高まる可能性があるとされているのは、乳がん、子宮頚がん、肝臓がんです。卵巣がん、子宮体がんについてはむしろ発症率が低くなると言われています。乳がんについては、服用期間の長さにかかわらず、現在ピルを服用している人は、1度も服 用したことがない人より乳がんを発症するリスクが20%ほど高いという報告がありますが、20歳未満でピル服用を開始した女性では、それ以降に開始した女性より乳がんの発生率が高くなるという報告もあり、若いときから長期にわたって服用する場合は乳がん 検診をまめに受けて、普段から自己検診も丁寧に行なうようにしたほうがいいようです。また、子宮頚がんでは5年以上ピルを服用すると、まったく飲まない場合と比べて、 リスクが上昇するという結論を出している論文があります(ただし、これがピルに含まれているホルモンの直接的な影響なのか、ホルモンによって免疫力が低下した結果なのかは、意見が分かれているみたいです)。悪性肝臓腫瘍の場合は、8年以上服用している人では7年未満の人に比べて発症リスクが高くなる、と報告されています。
こうしてみると、「生殖可能期間の避妊をずっとピルに頼るというのは、どうかしらねえ」という感じがしますが、ピルをあくまで治療薬として捉えるなら、GnRHアナログよりはずっと長期にわたって連続使用することが可能です。まだ閉経まで間があり、外科的療法は避けたいという人にとっては、ある程度期間を区切って使用する意味はある ように思います。
Q.ピルのプラス面をもっと知りたいが…?
近年、低用量ピルの「副効用」ということをよく耳にします。確かにピルは避妊薬として承認されたので、避妊以外の効能、たとえば経血量の減少は「副効用」とよぶことができるでしょう。さらにピルの副効用として、「卵巣がんや子宮体がんの予防効果」 を挙げる人もいます。しかし、ピルを3〜6ヵ月飲んだだけで卵巣がん発症のリスクは 約4割減少する、というこの主張の根拠となっている調査に対して、疑問の声もあります。「エコロジーと女性」ネットワークが出している資料によると、これは卵巣がんの診断を受けた人816人を対象とした調査なのですが、そのうちの約8%は死亡していたり 重病だったりして、調査に協力できなかったので、その人たちがピルを服用した経験があったかどうかわからないのだそうです。そうした重い症状だった人たちをあらかじめ除外して得たデータで「予防効果がある」と言いきっていいものかどうか、ということが問題にされているのです。
この資料では子宮体がんのほうのデータについては触れられていないので、同様の問題があるのかどうかわかりません。でも、例えば卵巣がんの予防のために、乳がんのリスクが高くなる薬を飲む、というのはあんまり納得のいく話ではないなあ、という気が します。そもそも副効用がいろいろ言われるようになったのは、95年にアメリカ産婦人科医協会がアメリカでのピル承認35周年を記念して、ピルの安全性と副効用をアピール するキャンペーンを張ったのがきっかけで、しかもそのスポンサーはピルを製造販売しているオーソ社だったのです。現在月経過多や月経痛に悩んでいる人が対症療法として ピルを使うのは意味があることでしょうが、ピルによる治療や避妊を切実に必要としていない人までが、10万人に10人前後の発症率である卵巣がんのリスクが4割下がるかも しれない、というだけの理由でピルを飲む必要が果たしてあるのでしょうか? その辺は利用者1人1人がよく考えた上で選んでいくべきだろうと思います。
Q.更年期障害の緩和には役に立つのか? 閉経までの逃げ込み療法に使ってもよいのか?
閉経間近になると卵巣機能が低下してきますから、ピルによってエストロゲンやプロ ゲストーゲンを補うことで、確かに更年期障害の緩和や、更年期出血と呼ばれる不正出血の抑制、さらには閉経前には乱れがちな月経周期を規則正しくすることも、ある程度期待できます。ただ、先ほども述べたように、加齢とともにただでさえ体重が増え、コ レステロール値が上がり、血圧も高くなる傾向がありますから、40歳以上の人がピルを服用する場合は、前もってその点について医師ときちんと相談をして、定期的に検査を受けるなどの配慮をしたほうがいいようです。
ここで気をつけておかなければいけないのは、ピルとホルモン補充療法(HRT)で 使われるエストロゲン製剤は全く別物だということです。HRTによく使われる結合型 エストロゲンはピルに含まれているエチニルエストラジオールの200分の1の生物活性( 生体に作用する力)しかありません。プロゲストーゲンの方もHRTに使われるもののほうがずっと作用がマイルドです。ピルは強力なホルモンの作用でからだを「偽の妊娠状態」にしているわけで、閉経に向かいつつあるときに、あえてそうした自然の加齢プ ロセスに逆らうような治療法を選ぶより、更年期障害に悩まされている方はHRTか漢方療法を、また筋腫や腺筋症による諸症状に悩んでいる方は「偽閉経療法」であるGnRHアナログによる逃げ込み療法か、やはり漢方を選んだ方がいいのではないかと思います 。
Q.ピルは環境ホルモンなのか? ピル服用の胎児への影響は?
「環境ホルモン」という言葉を、もともと体内にはなかった物質で、内分泌系の働きに影響をおよぼす物質と定義するなら、ピルに含まれる合成ホルモンは間違いなく環境ホルモンです。でもそういったら、GnRHアナログだって環境ホルモンです。「内分泌かく乱物質」という表現もよく使われますが、これはいかにも調和やバランスが取れた内分泌系をめちゃめちゃにするという感じがします。この言葉には初めから「人工的なもの=悪」と決めつけるようなところがあるという気がしますが、薬というのは病気などで崩れたバランスを元に戻すために使われることもあるので、人工的だからといって必ずしも「かく乱」するだけのものとは限らないという気もします。
いずれにしても、ピルが服用した人の内分泌系に働きかける薬であるということについては大きな意見の相違はないでしょうが、ピルに含まれる合成ホルモンが、実際に体外に排出されて自然環境を汚染し破壊するかどうかということになると、議論は分かれるようです。こんにちの地球には、ダイオキシンやPCBなど無数の環境ホルモンがあ ります。オスのワニのペニスが萎縮するとか、メスの貝にペニスができるとかいった現象が、環境ホルモンに起因するものとして問題になっていますが、今後日本で似たような現象が増えていっても、それをピルを飲んでいる人の尿から出たエストロゲンのせいだ、と特定することは不可能でしょう。しかし、逆にそれが絶対にピルのせいではないと言いきることもできないのです。ですからピルが自然を破壊するかどうか、という議論は、当分の間は平行線をたどるだろうと思います。
一方、環境ホルモンにまつわる論議が高まる中で出てきた考え方に「低濃度汚染」と いう視点があります。これまで化学物質の安全性を検討する際には、濃度は高い方が危険とされてきました。そのため、高濃度のときには出現せずに低濃度で現れる異常に関 しては、「薬剤の影響とは考えられない」として切り捨てられてきました。けれども、環境ホルモンにはごく微量で強い作用をもつ物質があり、高濃度のときよりかえって低濃度で問題が出てくる場合もあることがわかってきました。でも、低用量ピルは従来の安全基準で検討されてきたわけですから、うんと低濃度だったら問題はないのか、ということの検討はされていないのです。
胎児への影響という点では、実際に毎日飲まなくてはいけないピルを1〜2日飲み忘れて、妊娠してしまったのに、それに気づかずにピルを飲み続けるケースというのは、 アメリカだけで毎年7万件以上あるだろうといわれていますが、奇形児が生まれる率に 変化はないそうです。ピル中止後の妊娠についても、ピル使用経験者と非経験者を追跡調査したところ、先天異常児の発生頻度に違いはなかったという報告があります(倉智1999)。しかし、ここで問題なのは、これらの研究で注目されているのは胎児の奇形であ り、主に生まれた時点ですぐにわかるような異常だということです。環境ホルモンの影響は、生まれた子どもが生殖年齢に達する頃になってから出てくる場合があります。70 年代まで流産防止に使われていたDESと呼ばれる合成エストロゲンのケースがまさにそうで、DESを妊娠初期に服用していた人々の娘たちが思春期に入った頃に、相次いで非常に珍しい腟のがんになって、はじめてその危険性が確認されたのです。
そういう意味では、低用量ピルの安全性というのは、今後「低濃度汚染」や「次世代の性的発達」にもっと目を向けた上で検討しなおされなくてはならない部分がたくさんあるように思います。たとえピルのホルモン成分が99%排泄され、体内に残留するのがほんの1%だとしても、低濃度汚染が問題になるのであれば、安全だとは言いきれないのですから。私たちも、そういった新たな視点に立ったピルの研究をもっと進めるように、政府や研究機関に働きかけていく必要があるのではないでしょうか? 環境ホルモンについては、武田玲子ドクターの著書に詳しいので、関心をお持ちの方はぜひそちら をご参照ください。
以上、「婦人科疾患を持つ人にとってのピルとは?」という視点で、いろいろ調べてきましたが、ひとまずこのあたりでペンを置きたいと思います。次号には「ピルの禁忌規定」についての質問状送付のてんまつをご報告する予定です。最後に皆さんから寄せられたアンケートのQ6の自由回答を紹介させていただきます。Q6は「低用量ピルが 『避妊薬』として承認されたことについてどう思うか」という質問でした。71名の回答者のうち、35人が「よいことだと思う」、26人が「どちらともいえない」、8人が「わからない」と、意見が大きく分かれました。各自がその理由として自由回答欄に記入した答えをみると、避妊薬としてのピルが単なる薬ではなく、非常に複雑な社会的な側面 を持つ存在であることがわかってきます。ぜひ、ピルの持つ多面性について考えてみてください。ではまた。
<本稿を書く上で参照した文献>
・塩沢丹里・藤井信吾「子宮筋腫とステロイドホルモン」『Hormone
Frontier in Gynecology』Vol.3 No.1
・倉智敬一『くわしくわかるピルの本』中央公論新社、1999
・武田玲子「ピルは安全か〜内分泌撹乱物質の視点から」『セミナー医療と社会』第15
号、1999
・武田玲子・吉田由布子著『ピルの危険な話』東京書籍、2000年2月発売予定
・玉舎輝彦「低用量ピル〜新しい避妊法を考える(1)(2)」『産婦人科治療』Vol.7
8 No.2〜3、Vol.79 No.1〜2、1999
・「経口避妊薬(ピル)の審議に関する情報について」(ピルの有効性、安全性につい
ての中間とりまとめ)厚生省ホームページより http://www.mhw.go.jp/search/docj/ho
udou/1106/h0602-3_15.html
・「エコロジーと女性」ネットワーク「中間とりまとめにたいする『意見書ならびに要
望書』」1999.1.29
・中央薬事審議会「ピルの内分泌かく乱化学物質としてのまとめ」1999.3.3
http://www.mhw.go.jp/search/docj/houdou/1103/h0303-1_a_15.html
・Friedman, AJ & Phaedra, PT, "Does Low-Dose Combination Oral Contraceptive Use
Affect Uterine Size or Menstrual Flow in Premenopausal Women With Leiomyomas?"
Obstetrics & Gynecology Vol.85 No.4, 1995
・Parazzini, F, et al., "Oral Contraceptive Use and Risk of Uterine Fibroids," Obstetrics
& Gynecology Vol.79 No.3, 1992
・Sangi-Haghpeykar, H & Poindexter, A, "Epidemiology of Endometriosis Among Par
ous Women," Obstetrics & Gynecology Vol.85 No.6, 1995
回答者71名中Q6の自由回答に記入した人は全部で59人。そのうち「よいことだと思う」と答えているのは33人、「どちらともいえない」が22人、「わからない」4人でした。そこで挙げられた理由を大きく分類すると以下のようになります。複数の理由を書いてくださった方もおられたので、理由自体の合計は59より多くなっています。また、「どちらともいえない」と「わからない」の理由は類似していたので、いっしょに集計し ました。(集計協力:上野光世)
「良いことだと思う」と答えた人が挙げた理由
選択肢が増える(16人)
望まない妊娠や中絶が減る(9人)
女性が自己決定できる(7人)
確実性が高い(2人)
必要とする人がいるから(2人)
副作用が少ない(1人)
筋腫や内膜症の予防になる(1人)
<具体的な意見(抜粋)>
・他の国で実績が認められており、必要とする人がいるから。
・女性にとって精神的、肉体的リスクが減ったと思う。
・100パーセント安全確実な避妊方法がないから、避妊の選択肢が増えたのはうれしいことだと思う。でも避妊は女性だけの問題ではなく、パートナーとの人間関係ですね。使用する本人が十分に考えて決めたことなら尊重されるべきだけれど、そのためには正しい情報が必要です。
・低用量ピルが入手しやすくなったことで、からだを傷つける中絶や、低年齢の性行為による望まない妊娠が防止される可能性が広がった。
・私にピルを処方してくれた医師(ベルギー人)は、日本でピルが認可されていないと言うと大変驚いていました。そして、どれだけ多くの人が中絶をしているのかと危惧していました。中絶が女性の身体や心に与えるダメージを考えたら、ピルを飲むリスクのほうがずっと少ないと思います。
・ピルが性モラルに関係してくるとは今や考えられない。それより男性主導だった避妊に、女性が自分のために自主的に使うのは、とても意味があると思います。
・妊娠するのは女性なのに避妊は男性主体であるのは、ひずみが出ることもあると思う
。
・生理を制限することによって筋腫や内膜症の予防になるだろうし、望まない妊娠を防
げるから。
・薬を使用することの必要性やリスクを、十分理解して使うのであれば良いのではないでしょうか。
「どちらともいえない」「わからない」と答えた理由
安全性、副作用が心配(10人)
エイズや性病が増える(6人)
もっと「治療薬」として認識されるべき(4人)
情報・知識不足(4人)
きちんと理解し、しっかり自己管理できる人が使うならいい(3人)
性のモラルが乱れる(2人)
女性にだけ負担がかかる(2人)
保険が適用されない(1人)
まだ十分な議論がつくされていない(1人)
<具体的な意見(抜粋)>
・避妊薬としてだけ脚光を浴びてしまって、治療に使えるという事があまり表に出ていない。本来「クスリ」として使われるべきものだと思うが、マスコミなどの扱いはあく
まで「避妊」になっていることに疑問を感じる。
・避妊方法のチョイスが広がるのはいいが、安全性についての説明が今ひとつ納得でき
ない。むしろ治療薬として、使わざるをえない立場の人から使っていって、避妊にも流用して自己責任で使える形のほうがいいのでは?(つまり中用量ピルと同じ扱い)
・最近、性の乱れから、男女の付き合い方や子どもとか快楽とかについて、まじめじゃない人が増えている。そういう人たちは、簡単で確実だから、性感を損なわないから、
男は何も用意しなくていいからと、人間というより猿に近い感覚に陥るような気がする。その一方望まない妊娠は多く、母体を傷つけて堕胎するよりは、ピルを使ってそういうことを少なくすることができると思う。
・低用量ピルの解禁が性病の流行、性の乱れにすぐ結びつくとは思わないが、その点も少し心配だ。
・承認されても保険の適用がないとか、低用量と中用量の厚生省の対応が非常にあいまいで、バイアグラの認可のスピードをもみ消すように、何の根拠もなく急いだような気がする。長い認可申請があったのだろうが、その間にもう少しデータをそろえていれば、もう少しすんなり納得するのに。
・ピルについての認識が、まだ自分の中ではっきりしていない。
・自己管理がしっかりできる人にはよいと思う。しかし、できない人にとっては、避妊以外の面で良くないこともあると思う。
・使う人がしっかり勉強して選択したのなら良いと思うが、現状ではピルをくわしく知る機会があまりなく、全女性(男性もだ!)に知識が浸透していないと思う。
・友人がコンドームで失敗して、子どもをおろしたいという話がありました。子どもは好きではないがセックスは好きなのだと言う。友人の姉は薬剤師で、そのころでもピルは手にはいったはずなのに「副作用はいやだ」と言っていた。「では子どもをおろすのはいいのか」と私。それで生まれてこれない子どもがいるなら、ピルもあっていいのではと思うのは、子どもができない者のひがみかもしれませんが…。でも、友人のような考えの若い娘たちが増えるのも考えものです。性病も増えているというし…。日本の性教育にも問題があると思う。セックスは楽しんでいいけれど、本来、種を保存するものであって、子どもができるという自覚と、自分たちのからだの仕組みを認識することが大切だと思う。そういう教育の中に、私たちの病気のことも学んでいたら、こんなにたくさんの人が苦しむことはなかったのにと思う。
・毎日飲み続けなければならないので、本当に必要な人はがんばるだろうし、安易な考えの人は続かないだろう。
・避妊薬としてピルが必要な人もいると思うが、からだに負担があるかもしれないものが、手軽さだけで安易に使われるのはどうかと思う。
・女性自身が避妊できる確実な方法が承認された点では良いことかもしれませんが、リスクを考えると自分では使いたくないと思いす。
・効果がある人もいるだろうし、ひどい副作用がでる人もいるだろうから、一概にどちらともいえない。
・私だったら絶対に使わないと思いますが、人にはそれぞれ考え方があるし、実際にアメリカではかなり多くの人が使っているようですから、副作用があることを承知の上で
使うのなら仕方がないと思う。日本でこれから使いたいと思っている人が、本当にピルの副作用や危険性を理解しているかどうか心配です。
・圧力で決まった感があり、十分な議論が尽くされていない。一般にもリスクについての認識が広まっていない。
・普及状況をみないと何とも言えません。
参考資料 <厚生省が発表している「服用者向け情報提供資料」の中の禁忌関連事項>
●次の人は低用量ピルを服用してはいけません:
1.以前経口避妊薬を服用して過敏症をおこしたことのある人
2.乳癌、子宮体癌、子宮頚癌、子宮筋腫およびその疑いのある人*
3.原因不明の性器出血のある人
4.血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患にかかっている人、またはこれらの病気にかかったことのある人
5.35歳以上で1日15本以上の喫煙者
6.血栓性素因のある人
7.抗リン脂質抗体症候群の人
8.4週間以内に手術を予定している人、手術後2週間以内の人、産後4週間以内の人、および長期間安静状態の人
9.重症の肝障害のある人
10.肝腫瘍のある人
11.脂質代謝異常のある人
12.高血圧のある人(軽度の高血圧の人を除く。)
13.耳硬化症の人
14.妊娠中に黄疸、持続性そう痒症または妊娠ヘルペスの症状があらわれたことのある人
15.妊婦または妊娠している可能性のある人
16.授乳中の人
17.思春期前の女性
*ここがこれまでのご報告で問題にしてきた部分です。筋腫を他の疾病と並べて、ここ に入れることには十分な根拠 があるとは思えません。
●次の人は、処方を受ける前に医師に相談してください。また、処方を受けた後でも心配になったときは医師または薬剤師に相談してください。
1.40歳以上の人
2.乳癌の家族歴(家族に乳癌になった人がいる)または乳房にしこりのある人
3.喫煙者
4.肥満の人
5.血栓症の家族歴のある人(家族に血栓症にかかったことがある人がいる)
6.軽度の高血圧のある人(妊娠中に高血圧が認められた人も含む)
7.糖尿病またはその疑いのある人
8.ポルフィリン症の人
9.肝障害のある人
10.心臓の病気、腎臓の病気にかかっている人、またはこれらの病気にかかったこと
のある人
11.てんかんのある人
12.テタニーのある人
13.医師の治療を受けている人